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2004.10.12

台風の中の紅テント

 9日は唐組公演「眠りオルゴール」の東京初日だった。今回は唐ゼミから禿恵、古川望、前田裕己、小川尊の四名が参加している。ところが急に台風22号が首都圏直撃するとの報せ。唐組は朝の六時から現場に集合して対策を練ることに。中野に電話をして応援部隊を派遣。僕自身も午後二時頃から現場に入った。
 空を見上げながらまるで檻の中の虎のように歩き回る唐十郎は、テントが持たなかったときにどうするかということを考えていたらしい。自転車の発電機で二台の作業灯をつけて野外で上演するプランまで考えていたようだ。バケツをひっくり返したような激しい雨が続き、四時過ぎからは風も強まり、五時頃からは完全な暴風雨になった。楽屋テントも手で押さえていないと飛んでいきそうになる。だが、予報よりも速度が速まり六時には千葉市付近に抜け、開演前には風もおさまった。
 それよりも驚いたのはそんななか120名を超す観客が詰めかけてきたことだ。中には電車が止まるのを覚悟で完全武装でやってきた人もいる。無事に芝居を終えることができてみんなほっとしていた。唐ゼミ部隊もいろいろと稽古場からもまれてきたせいか少したくましくなったように思えた。
今回の作品は七十年代の「糸姫」を元にはしているが、90%以上は新たに書かれたほぼ新作。浅草の軽演劇のように矢継ぎ早に繰り出される氾濫するイメージに満ちていると同時に、過去と現在をつなぐオルゴール箱の仕掛けが最後に反転する美しい作品だ。いずれにしても唐十郎の頭の中はいま嵐のように沸騰している。その頭の中の嵐が現実の台風を吹き飛ばしたような素晴らしい幕開けとなった。今後の日程については唐ゼミのサイトの「関連公演」に掲載。

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 10日は京都工芸繊維大学で開かれている美学会・全国大会に顔を出す。昔ぼくが大学院生だった頃は300-400名くらいしか会員がいなかったが、今や1700人を超す大所帯になった学会だ。これまで全国大会に行くくらいでほとんど関わりがなかった学会だが、なぜか今度の選挙で委員に選ばれたという。さっそく委員会に出席させられたり、例会でしゃべらされることになったしまったが、全体としては業績作り、ポスト配分型の硬直した学会なので、つきあいは適当にして、時々面白いことをやらせてもらえればそれでいいくらいに考えている。記号学会の方が大切だ。懇親会で会った昔の同窓生仲間たちや若い大学院生たちと口角泡を飛ばす議論をしながら深夜まで京大近くの居酒屋で飲む。11日はお昼まで京都に残り、そのまま再び唐組のテントへ。さすがに初日の三倍近い観客が押し寄せており、芝居自体もしっとりとして一段と良い舞台になっていた。

 大学でごたごたがあってずっと接続できないでいた唐ゼミのサイトも再開通し、日程も発表されました。こちらも是非見に来てください。

 それから一週間ほどパレスチナに行っていた椿昇の旅行日記が掲載されています。内側に入り込んだ異邦人の目から見た世界の中心が描かれていてスリリングな日記になっています。

 さあ、いろいろまた始めなくては!

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