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2005.02.02

唐十郎最終講義イベント終了(溜息……)

 1月29日は唐さんの「最終講義」イベント。唐さんと深い付き合いの方々、唐ゼミのファンの方々、ぼくの関係者、マスコミ各社、学生・教職員、卒業生たちと500人近くの人が押し掛けて来てくれた。その様子は朝日、毎日、読売、神奈川新聞やスポーツ新聞各社が日曜に記事にしてくれている。とりわけ、朝日新聞の記事は全国版社会面トップで多くの人の目に触れたことだろう。日頃、犯罪や事件など暗い記事の並ぶ紙面の真ん中に「赤い木馬」が写っているという選択は悪くない。また、NHKでは総合テレビ土曜日10:05-10:45の「土曜インタヴュー2005ニッポン」で放送予定(2/26予定だが週がずれこむこともある)。唐さんの新刊も今週発売されたし、今週号の「ヨミウリ・ウィークリー」の「家族の肖像」にも唐さんが出ているし、何だかメディアが唐さんづくめになりました。Googleで「唐十郎最終講義」と入れると沢山の日記やblogもひっかかってきます。
 初講義の「黒板破り」の強烈なインパクトにはなかなか勝てないですけれども、あの時は単発だったのに対して、今回は7年半の時間の厚みを感じさせる重層的な、積み上げられたイベントになったのではないかと思っています。とりわけ、唐ゼミの八本連続上演は、何度も何度も台本を練り直し、徹底的な稽古を積み重ねてきました。早変わりや装置の入れ替え、映像などありえないほど複雑な構成でしたがほとんどノーミスで成功させることができました。二日がかりの仕込みや、イントレやレールの運び込み、唐組山中湖乞食城から運んで来た名作「二都物語」の赤い木馬、天井に吊られた初代紅テントのボロ布など、細部までいろいろなものが組み込まれています。みんな学期末で忙しいのに何日も徹夜で頑張ってくれた。もっとも公演とはちがって、こんなイベントは一生に一度しかないですからね。二度と同じような機会はないでしょう。一度限りのことだから手を抜くわけにはいかないとみんな分かっていました。
 前日のリハーサルでは涙が溢れ出して止まらなくなってしまって大変だったのですが、当日はあがってしまったものの何とか大丈夫でした。それでも、カーテンコールで中野がぼくの名前を呼んでくれたり、唐さんが赤い目に涙を浮かべて歌ってくれた「時はゆくゆく」の歌詞の中にぼくの名前を入れてくれたりした時には思わず涙ぐんでしまいました。後からビデオを見ると椎野も涙ぐんでいた(彼女は滅多に泣くことはないので、これにもこみあげてしまいました)。
 終わった後の関係者の飲み会も賑やかな中に皆さんがここで積み重ねられた時間を感じてくださっていたようで穏やかでしみじみとした会でした。来ていただいた毎日新聞の高橋豊さんが書いてくれた記事には、そのようなニュアンスがよく出ていてありがたかったです。

 唐ゼミに関して言えば、「話の特集2005」に松井美智子さんが熱のこもった記事を書いてくれている。公演写真も掲載されています。それから、最終講義の時にはまだ発表できなかったし、これからどういう風に動いていくかは解らないが、新国立劇場の今シーズンの演劇ラインアップにこのような発表が掲載されました。唐ゼミの今後を心配してくれる人も多いが、とりあえず秋までは彼らは一緒に歩んでいきます。その前に3月の初めには近大での「唐十郎フェスティバル」も控えているので、彼らには後ろを振り返っている余裕はないでしょう。

 とは言えこれが一つの大きな区切りであったことは確かです。唐さんを大学に誘うために今から9年前、高円寺北口の喫茶店で初めて唐さんと話した時のことや、その後花園神社で「模造石榴」を見に行った時のことを昨日のことのように思い出します。「室井さんも寂しいでしょう?」とか、「もう次に何もやりたくないでしょう?」とか何人もの人に言われたが、いやいやそんなことはありません。唐さんとの付き合いもこれからだし、唐ゼミの連中もたとえばらばらになってもみんな戦うことをやめないでしょうし、演劇関係ばかりではなく、ぼく自身もまだまだこれから前のめりになっていろいろなことに挑戦していきたいと思います。
 「最終講義」が終わってから二日連続でお世話になっている人たちのやっている公演に足を運び、 昨日は唐さんのところで内輪の打ち上げでした。今日は朝から入試監督や会議、明日明後日は京都で研修会の講師と、ずっとばたばたしていてここに書き込むのが遅れました。当日来ていただいた方に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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