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2005.02.10

映画「ガラスの使徒」試写会

 唐十郎がシナリオを書き、金守珍が監督、原作本を出しているアートンの郭充良が制作の映画「ガラスの使徒」が完成し、9日、大崎のIMAGICAで完成披露試写会が行われた。主要スタッフはもちろんのこと唐組、梁山泊、唐ゼミ総出動、エキストラにも見慣れた人たちの顔が沢山出ているという、広域・唐十郎ファミリー手作りの映画。ファミリーと言えば美仁音、佐助という唐さんの子供たちも重要な役で出演している。主役に新人の佐藤めぐみと唐組の稲荷卓央、唐十郎、六平直政、山田純大、余貴美子といった実力派を配し、短いシーンではあるが中島みゆき、大久保鷹、原田芳雄、石橋連司、佐野史郎らが顔を出して彩りを添える。
 立ち上がりから見ているだけに、どんな映画が完成したのか気になるところだが、唐十郎の世界を体現した濃厚で硬質な作品に仕上がっていた。画面のトーンが統一されていて美しく、音響もとてもいい。それ自体が映画に出てくる手作りのレンズのような作品である。1時間50分に仕上げたためにエンディングが少し寂しい(あと10分ほど欲しい)し、切り詰めたためにシーンに無駄が無さ過ぎる(役者の演技空間に肉迫していくスタイルは「夜を賭けて」から変わっていないが、水平に広がるショットがもっと欲しい)。基本的にはガラスのレンズの光に取り憑かれた者たちと、社会の経済に取り憑かれた者たちの対立を描いているが、登場人物たちの手のひらに穴があく(聖痕)のイメージや、ダム湖に沈んだ小学校の教室でヒロインがオルガンを弾くとその音が泡となって湖の表面にまるでレンズのように次々に浮かび上がってくるといった繰り出される美しいイメージの重層的な集積が、画面に得体の知れないパワーを与えていた。役者たちは皆とてもいい。
 終わった後、地下のラウンジでパーティ。スタッフや主要キャストが次々にスピーチをしていく。唐さんも機嫌が良く喜んでいた(写真はスピーチする佐藤めぐみさん。唐さんの隣は堀切直人氏)。
satomegumi
garasu2
 プロデューサーの郭さんは日本中を飛び回って上映館を探しているが、この映画の場合にはむしろ大手の配給網ではなく、ひとつひとつの映画館や特設会場などでの手作りの上映会の方が向いているのではないかと話していた。上映権を持つ映画館にお知り合いの居る方、上映会を催してみたい方は是非ご連絡下さい。
 金さんをはじめ、アートンの村松明彦さん、秋元けい子さん、堀さやかさんらの製作の現場で頑張ってきた人たちのここまで漕ぎ着けられてほっとしたような表情が印象的だった。100人規模の人間の力の結集である映画が作り出されるまでは本当に大変なことがあるのだ。
 久しぶりに大久保鷹さんと顔を合わせる。最近すっかりインターネットづいている大久保さんはこのblogもよく見ていると言う。足立正生さんが撮る新しい映画製作に関わっているらしいが、3月10-15日に新宿で公演をするパレスチナのアルカサバ・シアターに期待を寄せていて、美術を担当した椿昇に是非紹介してほしいと言っていた。
 そして、幸せな雰囲気に包まれた打ち上げはそのまま二次会へ。
 この間、サッカーの北朝鮮x日本戦があったが、ここが世界の中心だというような人たちにとっては意識の外だったようだ。個人的には是非北朝鮮に勝ってほしかったので残念だけど、ホームの平壌があるのでそこに期待したい。

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