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2005.04.05

今日が入学式

 桜も開花し、また新しい出会いが始まる。
 3月31日は、四月からゼミが始まる新三年生たちとプレゼミ・コンパ。一月末からblogを始めていろいろあったりして何となく始まる前なのに打ち上げ的感覚。久々に二次会のカラオケまでつきあった。みんなJ−POP好きなので何となくいじめたくなり、「こんな中途半端なものは文化じゃない」と難癖をつけると、みんな「そんなのは個人個人の趣味ですよ」と口を揃えて反論する。「そーじゃないよ。何でも鑑定団と同じで、本当にいいものが分かるには知識も必要だし時間がかかるんだよ」と決めつけてやると、悔しがって「そうかもしれないけれど、だからこそ私たちが共感できるんじゃないですか?」と言い返してくるので、「等身大とか共感できるのが大事とか言うこと自体恥ずかしいことなんだ」というようなことを言うと、これまた全員「いやー、それは違いますよ」とぷんぷん怒っているのが面白い。多分、話の中身それ自体よりも、ぼくがそう決めつけてくるのに反応しているのだろう。「あれって、いいよねえ」とか「あれにはすごく共感した」とかいうことに、ケチをつけられたことが余りないに違いない。その部分だけが「人それぞれの価値観」で許される部分だと思い込まされているし、その部分の「共感つながり」が人間関係を作り上げているのだから、そこを突っ込まれるとムキになって反論してくるのだ。逆にぼくはそこに切り込んでいきたいと思っている。これも切り込みすぎると、すっかりいじけて寄り付かなくなってしまうので、どこまで突っ込むのかというバランスが難しいけれども、そこに切り込んでいかない限り、文化について教えることなんてできるはずがない。
 4月1日は、何人かの学生と約束してあったので研究室で面談。唐ゼミの新ウェブについての会議、それから講座に新任の二人の先生を迎える。4月2日、午後から横浜で慶應大学出版会から出す「新記号論叢書・セミオトポス」第二号の打ち合わせ。第一号「流体生命論」は15日に発売されます。そのまま、飲み会に。
 4月3日は高田馬場で、5月21−22日に開かれる「日本記号学会第25回大会・<大学>はどこに行くのか?」の打ち合わせ+飲み会。大垣から吉岡洋が来てくれる。4日は大学で学生スペースフロアの大掃除。新しいゼミ生や、新入生歓迎イベント準備中の新二年生たちと掃除をしながらおしゃべりをする。悪くない。
 帰ったら、中村敬治さんの訃報を聞く。ぼくの誕生日に亡くなっていたらしい。68歳だから今時まだまだ若い。80年代の初め、国立国際美術館の主任学芸員だった頃知り合って、時々いろんなところで会っていた。この人は同志社大学の造反教員の一人で、大学と喧嘩して美術館に入った。硬派のモダニストで、いろいろなところで喧嘩をしていたが、なぜかぼくには割と親切だった。国立国際を辞めた後は、初台のICC(NTTインターコミュニケーションセンター#どうやらここも潰れるらしい)の初代副館長で実質的に現場を取り仕切っていた。木場の東京都現代美術館で「ウォーホル展」をやった時に一緒にシンポジウムに出たり、水戸芸術館で「TVゲーム展」をやった時に、なぜかぼくを指名してくれて公開の対談をしたりした。ICCで「メディアアート」をしなくてはならないのが相当嫌だったようで、水戸の時には「メディアアートなんて!」というタイトルで徹底的にメディアアートの悪口を言っていたのが印象深い。この十年程鬱病でどんどん痩せていき、元気がなくなっていくのが気になっていたが、結局胃ガンだったらしい。多分、変っていく世の中を嘆きながら、飲み過ぎたのが原因だったのではないだろうか。立場的には全く違うけれども、モダニズムを愛した侍のような人だったし、嫌いではなかった。さびしい。

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