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2005.07.26

試験期間にはなったけれど

 日曜日のお昼に大久保鷹さんから電話がかかってきた。新宿梁山泊の「唐版風の又三郎」で九月初めまで韓国8カ所でのテントツアーをする。既に22日に出発しているが、客演の大久保さんと体調を少し壊していた主演の近藤結宥花さんだけは本日(月曜日)に遅れて出発することになっている。木曜日も含めて二回舞台稽古を見た感じでは、短くなってはいるものの、今回は相当出来がいいので、きっと韓国でも大反響が得られると確信しているのだが、そこで大久保さんがこだわっているのは芝居の中で「9.11」のツインビルが崩壊する映像、日章旗(風)の出現、紙芝居の中の怪鳥が星条旗の模様をしているということだ。とりわけ日章旗(風)のものが出現することに神経質になっている。先日の舞台稽古の時にも堀切直人さんが、殊に「9.11」の映像にこだわっていた。韓国の観客を違う方向に引っ張っていってしまい、肝心なことが見えなくなってしまうのではないかという心配だ。ぼくは、あの「9.11」の映像は「現在」に向けて、日章旗は「過去」に向けて、芝居の外へと裂け目を開くのでツインビルが崩壊する映像はいいが、日章旗は良くないとその時に言った。唐さんは黙っていた。堀切さんは「9.11」をめぐる言説の凡庸性にこだわっていた(つまり、「9.11」以降世界は変わったというような紋切り型の言説)のだが、ぼくはあの映像は言説を越えていると思っているので(実行犯も含めて誰も高層ビルがあんな風に崩壊するとは思っても居なかった)、むしろ日の丸をめぐるステレオタイプにこだわりがある。だが、演出の金守珍さんはどちらもやめるつもりはないようだ。在日としてのこだわりが日章旗のイメージをどうしても捨てられないようなのである。大久保さんの相談もそういうことで、ぼくは金さんが確信犯である以上、芝居の現場での観客との出会いの中で問い直して行かなくてはならないのではないかと答えた。一ヶ月以上にもなる韓国ツアーは彼らにとっても場合によっては命がけにならざるをえない冒険なのだ。8月12−13のソウル公演(反日デモの続くソウルで国会議事堂前で公演をやる。そこには唐十郎も駆けつけ、金芝河らも顔を出す)、8月25−26日の全州公演の二回、ぼくも行くことになっている。何が起こるのか、不安だがそれでもわくわくする。だって、持って行くのが何と言っても唐十郎の最高傑作なのだから。
 唐ゼミ★は、20日から新国立劇場公演の準備に突入した。日替り公演でやる二本の芝居の大道具や小道具、衣装を朝から晩までの作業で猛スピードで作っている。岩波書店から出る『教室から路地へ−横浜国大vs.紅テント、2738日』(またタイトルが少し変わった。唐十郎が最終的には了解していないのでまだ変わる恐れがある)は、唐ゼミ★の座談会や巻末資料まで揃ったので、原稿はすべて終了している。目を通したが相当に面白い本になりそうだ。バッタ本『巨大バッタの奇蹟』(アートン)は相棒・椿昇の寄稿も届いて、これまた最終段階。木曜日に編集会議をして後は具体的な制作や営業戦略に移ることになる。こういうタイプの本を二冊同じ時期に出せるのでこれまたわくわくする。
今週末には水戸芸術館での「ラ・クカラーチャ」に客演している唐組の鳥山昌克、稲荷卓夫を見にいき、来週8月1日から2日は恒例になっている大垣のIAMAS(情報科学芸術アカデミー)での集中講義。3日から4日は山中湖唐組乞食城での稽古場公演、5日と6日は大学でオープンキャンパスと結構予定が詰まっている。
 今週はレポート提出期間だし、木曜以外は大学に行かなくてはならない。このように大学教員というものは世間で思われているよりもずっと忙しいのです(笑)。

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