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2005.07.21

まだまだ打ち上げの日々

 月曜日は唐ゼミ★の椎野裕美子と渋谷のシネマ・ライズで小栗康平「埋もれ木」を見た後、新宿梁山泊の稽古場「満天星」へ。「埋もれ木」は退屈だった。カメラや音に凝ってはいたものの、後半のCGが余りにも軽すぎる。モチーフは悪くないが、それをまとめあげる感性が余りにも平板だ。こういうのを見るとやっぱりタルコフスキーやフェリーニやアンゲロプロスは凄いなと思ってしまう。ソフトフォーカスでCGを多用した幻想シーンも平板だし、役者に演技させずすべてを点景の一部にしてしまうような演出スタイルにも不満。まあ、大久保さんの出演シーンは思ったよりも長かったけれど。稽古場には唐さんも来ていて結局飲み会になって終電で帰る。
 火曜日は多摩美の最終。ビール飲みに行こうぜと言うが学生のノリが悪く大宴会にはならなかった。時間がないとかいうよりも前に、普段つきあいのない学生同士で口をきくのが億劫らしい。先週わざわざぼくの帰りを待っていて一緒にお茶を飲んだ女の子たちでさえもなぜか欠席。お前らが「来週は打ち上げましょう」と言ったからその気になったんじゃないかよ!とはなはだ不満。幼稚園児のように「もう、お前らとは口をきいてやらない」と拗ねる。それでも男の子を中心に15,6人は集まってわいわいと。多摩美の飲み会ではこのところカラオケが定番となってしまって疲れる。この「伝説のカラオケ」というのは、四五年前に全く授業に出席していない学生がカラオケで単位を下さいと言い出して、「20回以上、雨の日も風の日も出席した奴が費やした時間を越えるような、表現として自立している歌ならば考えてもいい」と受けたら、5人位が挑戦してきて、1人だけ「C」で合格させた(言い出してきた奴は不合格)というのが伝説化して、「1曲に人生を賭ける」という妙なノリのカラオケになる。もう単位を賭けたりはしないが、リモコンをぼくが握って、気に入らないとワンフレーズで「演奏停止」にする。どういうものが「合格」なのかをみんなが考えて、ぼくに完奏を認めさせることを目指す。もちろん声がいいとか音程を外さないとかいうことはどうでもいいのだ。心がこもっていることもそうだが、表現として成り立っているということを目指す。この日は二人に合格を出した。1人は音程が取れないタイプの音痴の学生ですごく喜んでいる。一方、ずっとワンコーラスで止められた奴は帰りがけにも真剣に「納得できないですよ」とかなり怒っている。これ、やっている方もすごく疲れるが、それでも新しい発見があったりするので結構面白い。というわけでやはりこの日も終電。
 金曜以来の大学の研究室に行くと、「マルチナイト」をやった一年の女の子たち三人がやってきて、「別に用事はないんですけれどね」とソファに座り込む。どうやらイベント終了一週間で、何だか面白いことがすべて終わったような気がしてふらふらやってきたらしい。「終わって寂しい」「みんなと会っていないと寂しい」「作業をやっていないと不安になる」「テニスサークル止めることにした。テニスやってても、私はこんなことしている場合じゃないだろうと思ってしまう」と話し込む。毎日イベントの時の光景が夢に出てくるらしい。まあ、典型的な燃え尽き症候群だが、それでもそんな話を聞いていると、やって良かったなという気持ちになるので、彼女たちのうわ言を楽しく聞いていた。
 唐ゼミ★の方はこの日から新国立劇場の叩きに入った。美術を担当する唐組の久保井研が久しぶりにやってきて、打ち合わせをする。連中はバイトを止めて完全に準備態勢に入ったが、果たして生活は大丈夫なんだろうか? 余りにも気合いが入っているので逆に心配になる。今日の木曜日のゼミで授業は終わりにして、スケジュールはたいして楽にはならないが、一応夏休み体勢になる。

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コメント

お返事を有難うございます。
僕は現在、当地の美術学校で作品制作、発表を行っています。
それと成り行き上、「日本文化論」の講義も担当しています。
これも勉強と思い、
自身の未熟さを痛感しながらも講師の大任を引き受けています。
室井さんのブログを拝見していると、
過去の授業内容が懐かしく思えます。
また、新たに学ぶ事も多い為、
毎度の更新を楽しみにしています。
最近は、多摩美ともすっかり疎遠になってしまいました。

いや、別に「伝統」とまでは行っていないと思うよ(焦)。
多摩美ももう八年目になる。ほかにも卒業生の人で読んでいたら連絡下さい。ストックホルムで何しているのかな?

ご無沙汰しています。
以前、多摩美でお世話になった大倉です。
覚えておいででしょうか?
「伝説のカラオケ」に反応してしまいました。
僕はその場には居合わせませんでしたが、
後々、その噂は耳にしました。
その伝統が今なお、受け継がれていたとは驚きです。
ちなみに僕は現在、
ストックホルムで学生生活を送っています。
酷寒の地で生活しつつも、
室井さんのブログは以前より、
逐一、拝読しています。
また、お目に掛かれる事を楽しみにしています。

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