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2005.12.13

宴会シリーズ

 8日は唐ゼミと一緒に全州大学演劇科公演の打ち合わせ+韓国式宴会シミュレーション(というか実際に宴会)。韓国人留学生の指導でキムチチゲやもやしナムルなど大量に作る。ごま油と酢が韓国製でなくてはならないということで食べると確かにナムルは旨い。八時過ぎまで適当にビールを飲んでから、渋谷で開かれているアートンの忘年会の打上げに。二次会なのだが、ざっと五十人以上はいる(もしかすると百人くらい居たのかもしれない)。少しずつ顔見知りと話して、社長の郭充良さんに挨拶。今年はバッタ本でとてもお世話になった。17日には恵比寿の写真美術館で念願の「ガラスの使徒」のロードショーが始まる。
 9日は、大学から非常勤で行っている多摩美芸術学科の学生たちがやっているゼミ公演「農業少女」(野田秀樹作)を見に八王子の多摩美に。俳優たちは頑張っていたが、慣れないこともあって演出や技術陣がぎくしゃくとして四苦八苦していた。あとは台本の選択が良くなかったのかも。「転換」が中心の戯曲なのだが、その転換の早さに学生たちがついてこれないでいた。それでも二日間だけの公演の初日を終えてみんないい顔をしていた。車だったが帰りは道に迷い疲れた。
 10日は日本記号学会の理事会・編集委員会。来年の大会は5/13-14に東大駒場で「記号としてのテレビ」というテーマで行うことに決まる。久々に山口昌男さんに会うが、山口さんは秋にポルトガルに旅行してまた倒れ、歩くのが以前にも増してかなり苦しそうだった。数十メートル歩くのに十数分かかる。体重も増えている。それでも車椅子を使おうとしないで自分の足で歩こうとしている姿に圧倒される。しかもどこにでも出かけて行く好奇心と気力は全く減退していない。九月頃に新国立劇場の田中泯さんの公演で会った時には、オセアニア美術館の館長を頼まれたからパプアニューギニアに行くと言っていたのだが、現地の人に動けない年寄りが居ると、港町についた日のうちに棍棒で殴り殺されて身ぐるみ剥がれると脅かされて流石にあきらめたらい。それでも、あの身体でニューギニアに行こうとしていた段階で凄い。脳梗塞の後遺症は残るがこんな病人は見たことがない。
 11日は招待されたパパ・タラフマラの「百年の孤独Heart of Gold」を見に三軒茶屋の世田谷パブリックシアターへ。昔、ダム・タイプとよく比較されたマルチメディア・パフォーマンス集団だが、主宰の小池博史さんが茨城県日立市出身だということで関心をもっていた。十年くらい前に東京グローブ座に観に行ったこともある。この頃からダンスパフォーマンス志向に変わっていたが、全体としてはマルチメディア人形劇と言ったところ。人工的で異化作用の強い空間の中を人形のようにぎくしゃくとした動きのパフォーマーの動きや映像や装置が絡み合って行く。原作とパフォーマーの動きと装置と映像とを頭の中で綿密に組み立てるのが小池さんのやり方だが、見事な美術的センスには驚かされるが、ガルシア=マルケスの原作に対する不完全なオマージュになっているのが残念だ。原作もの、あるいは古典的な演劇台本に基づくものというのが最近の傾向らしいが、八十年代に物語の解体やメタシアトリカルな方向を向いていた人たちが、ある意味では物語への回帰によって表現の持続を企てているという現象自体が興味深い。隣にソフト帽を被りコートを着た人が座っていて、幕間に声をかけてきたのは、久々の今福龍太さんだった。今福さんは札幌大学をやめて今年から東京外大に務めていると言う。終わった後、二人で楽屋に行き小池さんに挨拶をする。小池さんは油縄子小学校から水戸の茨城中学へ、高校から日立一高だそうで学年が一つ下。このさらに一つ下には妹島和世がいるが、あの頃の日立という地方都市がこれらの人たちの表現活動に強い足跡を残していることは明らかであるように思われる。南米への関心や「タラフマラ」という名前をつけたのも、もちろんアルトーの「タラフマラ」もあるが、「地球の歩き方」で行ったこともない土地を夢見ていたというところにルーツがあるそうだ。そう言えばぼくも小学校の時に講談社の「少年少女世界文学全集」を読みふけり、目の高さに高々と広がり光る太平洋を見ながら異国の幻想に浸っていたあの頃のことを思い出した。モダニズムやロマン主義やアヴァンギャルド芸術は、資本主義よりもずっと先にぼくたちの頭の中に侵入してきていたのだ。そんなことを思い出した。終わった後は卒業生の子と渋谷で食事して帰る。ちらほらと雪のようなものが降り出していた。
 13日はこれから多摩美の年内最終の授業と忘年会。まだまだ週末にかけて忘年会や宴会が続く。体調を崩しかけたが何とか持ち直している。

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