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2006.02.04

栗本慎一郎さんの会

 3日は神楽坂の出版クラブ会館で行われた「栗本慎一郎さんの出版を祝う会」に出席した。何年ぶりだろうか? 99年に脳梗塞で倒れた後、一度は2000年の総選挙で宮崎学さんらと「電脳突破党」に参加するが落選。その後また後遺症と戦いながら、脳梗塞に関する仕事(リハビリ機器や血栓を溶かす酵素の製造)を続けながら、本当に回復してしまったのだから凄い。久しぶりにお会いした栗本さんは以前のままの姿で、少しだけ左足をひきずり気味だが、とても元気だった。会場には出版界や財界、政治家、タレントらの顔が見えるが、全体としては栗本さんと世代の同じ人たちが多かった。今後は雑誌を創刊したり、栗本自由大学を復活させたりしたいと意気盛んだった。
 栗本さんとは82年頃に何度か手紙で交流し、実際にお目にかかったのは87年の記号学会。その後、90年頃にはぼくの務めていた帝塚山学院大学に講演会でお呼びしたりした。自由大学には二度程お手伝いに行っている。そう言えば、立川健二が企画した紀伊国屋ホールでの丸山圭三郎さんを偲ぶシンポジウムでも一緒になり、その夜は岸田秀、黒鉄ヒロシ、竹田青嗣、栗本慎一郎+うちの夫婦という変な取り合わせで深夜までカラオケをしたりしたこともあった。
 去年栗本さんが出した二冊の本、『パンツを脱いだサル』と「シリウスの都、飛鳥」はいずれも栗本さんらしい本だ。これらの本を読み解くのは難しい。エレイン・モーガンの「水生人類説」とアーサー・ケストラーの「アシュケナージ・ユダヤ人の謎」の話を繋げただけのユダヤ陰謀説のように見える前者や、縄文王朝論や蘇我氏は東ペルシア高原からやってきたというトンデモ歴史観のように見える後者が示しているのは、しかしながら、これは栗本さん流の「妖星伝」なのである。「妖星伝」とは故半村良の信じられない程素晴らしい傑作伝奇小説だが、栗本さんの中にはこの暗黒の生命潮流的なものが押さえようもなく渦巻いている。その迸りを感じ取ることが重要なのだ。本としては『ブタペスト物語』や『パンツをはいたサル』『意味と生命』は素晴らしい。だが、どの本を読んでも栗本さんの溢れるような生命のパワーを感じることができるのは幸せなことだ。
 会場にはほとんど知人がいなかったが、大久保鷹さんの友人の写真家平早勉さん、栗本さんの相棒、宮崎学さんがいた。奥様ともお話が出来て楽しかった。
 大学の方は卒論提出、レポート締切と慌ただしい。img006

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コメント

栗本慎一郎先生は南半球のインテリたちが
「水」を価値あるものとして交換の道具として利用していこうと真剣に考えていると述べられています。

「パンツを脱いだサル 完結編」以降の本の出版を
楽しみにまっています。

僕が栗本先生のことをはじめて知ったのは
長男が持っていた黄色い文庫本「話せばわかるか
」でした。長男は糸井さんのことが好きらしく、広告やマーケティングに関心をもっていたようです。
僕は栗本先生の「内知」という言葉に関心が向き
その後、パンサル以降の本をほとんど買って読みました。自分の通っている大学にコンプレックスがあり、栗本慎一郎自由大学がつくられたとき、行きたい、行きたいと思いましたが、学費もないし東京に家を借りるお金もない。

でも僕の通っていた大学の図書館にも栗本先生
が翻訳された「大転換の予兆」が置いてありました。

本当に栗本先生におしえていたただいたことが
多かった大学時代でした。


                   2010/12/30

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