« パースのセッション | トップページ | 再び入れ替え日 »

2006.07.20

エーコが来た!

 朝、パイオーニ教授から今日エーコが来るよと言われた。ウンベルト・エーコとは98年のドレスデンでの国際記号学会で山口昌男さんに紹介されて会っている。あの時には、亡くなったトマス・シビオクも来ていて、山口さんと三人だけで昼食を取ったのが思い出深い。エーコが本当に来るかどうかは、主催者はいつも気になるらしく、実際ドタキャンで来ないこともたびたびあるらしい。

 夕方になってエーコが到着した。タバコを吸っていると、向こうから何か怪訝そうに寄ってきたので話しかけた。何となく覚え居てるようだった。「マサオはどうしている?」というので、山口さんが五年前に脳梗塞で倒れたこと、その後も何度も入院して大変だったが、どうやら先日手術をしてから少し良くなってきているらしいことなどを伝えた。「あんなに世界中で暴れ回っていた男が動けなくなったら大変だろう」と言うので、「いや、そんな状態でもどこにでも出かけていましたよ。来年は長期でヨーロッパに来ると言っています」と答えるとうれしそうにしていた。エーコと山口さんは体型や雰囲気もちょっと似ていて、エーコが山口さんを気に入っていろいろなところに引き回してくれたらしい。それでももう十年ほど会っていないようだ。この二人が知り合ったということは、日本の記号論の成立に大きな関係があるのである。エーコは髪や髭がすっかり白くなった以外は、とても健康そうだった。

 「前に山口さんに言われて、ミラノに連絡して、あなたに日本に来てもらおうとしたのですが、連絡が取れませんでした」というと、「一年の半分以上いないからね。それに日本には15年前に行ったけど、もう僕も年だからなかなかね」と言う。そんなことを言いながら先日もインドに行ったり、来年は中国に行こうとしているらしい。短いシガリオをパイプに入れて、火をつけないでずっとくわえている。多分、葉巻が吸いたいのだが我慢してずっと口にくわえているのだろう。マフィアのボスのような雰囲気だった。この人はジョークを言っていたり豪快に笑っているかと思うと、とても神経質なところもあって、目はいつも余り笑っていない。夜に同席したボローニャ大学教授のジャンパウロの話だと、彼がエーコの学生だった頃はとても怖くて無口な先生だったと言う。イタリア語で何か書いてもだめだ。とにかくみんな英語で話したり書いたりできるようになるんだということを、何度も言われたと言う。

 昨日と同じように夜のバスでウルビノに出かけた。今回は10人以上で賑やかだった。広場でビールを飲んでいると、どんどん参加者が集まってくる。エーコやパイオーニもそこに立ち寄って、賑やかな宴会状態になった。エーコと一緒に写真を撮ってもらったが、手前のエミリオにピントが合ってしまって、ちょっとピンボケ。二枚目でとなりに居るのが、ジャンパウロ。


コメント コメントを書く

2006年07月20日
01:46

ERI
あ、エーコのサインもらってきて。私が唯一まともに読めた記号論学者の本だから。ミーハー。
2006年07月20日
23:47

ash
勘弁してくれ。そんな雰囲気はかけらもないし。179164961_29
179164961_60

« パースのセッション | トップページ | 再び入れ替え日 »

「旅行・地域」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16230/13007283

この記事へのトラックバック一覧です: エーコが来た!:

« パースのセッション | トップページ | 再び入れ替え日 »

最近のトラックバック

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31