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2006.08.05

8000体のミイラ

 さて、なぜシチリアにまで来たのかと言うと、理由は二つあって、ひとつは昔細川周平が書いた「トランス・イタリア・エクスプレス」(筑摩書房)という本がある。彼が80年代にボローニャ大学に滞在していた時に書いた旅行記で、それに列車に乗ってパレルモまで行く話が載っていたのだ。それには17世紀から19世紀までの間の死者8000人のミイラが並べられたカプチン派のカタコンベ(墓所)の話が出ていた。ローマにも数千人の白骨で作られたカタコンベがあるが、ここのミイラは髪の毛や髭まで残り、まるで生きたまま眠っているようだと言う。とりわけ少女のミイラは印象深いと書かれている。それが気になっていた。

 もう一つは、それでも余りに遠いので諦めかけていたところ、ウルビノで会ったエミリオやジャンパウロ・プローニが、しきりに勧めてくれたからだ。ブローニは、「シチリアにこそ、本当のイタリアが残っている」と断言する。「ジェラートだって、シチリアで食べなければ駄目だ」(本当かな? 気候的にはそうでも、やはりローマ以北の方がおいしいような気がする)と言われて、その気になってしまったのが、はるかパレルモまで足を伸ばした理由である。

 確かに昔のイタリアらしく、ほとんどの観光施設は12:00-15:00くらいまで閉鎖されてしまう。余り商売をする気がないようだ。カテドラルとアラブ人が基礎を作りノルマン人が作った王宮は見られたものの、あとはみんな閉まっている。どこか一つに絞るとなると、やはり細川が言っていたカタコンベだろうと思って、はるばる郊外まで行ってみたが・・・いやあ、やっぱり駄目だった。

 気持ち悪すぎる!!!

 ミイラたちは晴れ着を着て、二列に立っていて、上の方には崩壊したミイラたちが横に寝させられている。確かに、髭や髪の毛(おさげの女の子)のミイラたちも居るが、何十体かの保存が良く、顔の造作までよくわかるミイラはごく一部で、ほとんどは水木しげるの「死に神」のように、顔は骸骨化して、歯がむき出しになっている。そいつらが、この巨大な地下宮殿に8000体いると思うだけで、窒息しそうになってくる。そうなるとちょっと臭いまでくるような気がして、吐き気を催して早々に逃げ出した。

 他の観光客はみんな平気で、乳母車の赤ん坊や小さな子供連れでどやどやと見物している。あいつらは平気なのかな?

 まあ、行かなきゃ分からんけど、行くんじゃなかった。白骨のカタコンベにしても(骨で彫刻まで作っていた)、要するにみんな信仰を抱いたまま神の国に召されたということなのだろうけど、カトリックにはそういう強烈なところが濃厚にある。

 さあ、パレルモはもうこれで終わり。明日は早起きして、アグリジェントに日帰り旅行をしよう。

 なお、カタコンベは撮影禁止なので写真はない。


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2006年08月05日
00:11

龍の子風の子
「ミイラ、みたい!」と思ったわたしは「あいつら」と同類かもしれません。骸骨になっちゃうと、どの人がイケメンで、どの人が超絶美人だったかなんて、わからないもんなんですね。女のミイラが発見されると、すぐ美女になるでしょ。「楼蘭の美女」とか。本当か!?なんて思いますけど。(殺されても美女になれますね。「美人OLの惨殺死体」とか)美醜なんて所詮、数ミリの皮膚の違いなのかも。話は変わりますが、きょう東本願寺でちいさなお坊さんが得度式に臨んだというニュースを読みましたが、くりくり頭だとみんな同じ顔にみえました。こちらはとってもかわいかったですよー。
2006年08月05日
01:49

ash
そういえば、日本でも即身仏のミイラとかありますけど、包帯巻いていて枯れた感じがするが、着物着てポーズ付けられて、髪の毛や髭まであるミイラが数千体というのは、ちょっと悪趣味かと。気のせいかもしれないけど、腐臭もするし。
まあ、龍の子風の子さんは、是非パレルモに来てください。ぼくはもう十分だ。
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