フェリーでシチリアへ
朝荷物をホテルに預けて、ナポリ観光最終日。日曜で閉まっていたヌオポ城や王宮、卵城などを見物しつつ、王宮の芝生の上で昼寝を楽しむ。日陰なので気持ちいい。卵城の上からのサンタルチア湾の景色は、バックにヴェスビオス山が夕焼けに映え、本当に絵葉書みたいだった。この景色昔音楽の教科書で見たなあという感じだ。
夕方、荷物を取りに行き港へ。フェリーはかなり大型で設備は整っているのだが、椅子席ではどういうものか前方で大音響のテレビがあり、二時過ぎまで消してくれない。これさえなければかなり快適な環境だったのだけど、おかげで余り眠れず。まあ、それでも飛行機よりは全然ましである。デッキでタバコも吸えるし。
船上から見た朝のパレルモの光景は、まるでタイムスリップして百年くらい戻ったかのような古風な町の姿だった。白黒映画の都市みたい。朝の六時半に着いて、とりあえずホテルに荷物だけでもと思って歩いて行ったら、受付のお兄ちゃんが「今すぐに部屋に入れるよ」と言ってくれ、とても助かった。汗を流して仮眠を取る。
このホテルは時間制の有料ではあるが無線LANが使える。早速いろいろと調べ物をして、当座の予定を決めた。5日にパレルモからフィレンツェに直行便で飛ぶ。二万円弱の格安チケットがネットで取れるのだ。8日までフィレンツェに滞在し、列車でウィーンに向かう。そこから先は、いろいろ情報をもらっているので、おそらく北上してポーランドまで行くことになるだろうが、まだ未定。
シチリアというのはとても不思議な島で、最初はギリシャ人、カルタゴ人、ローマ人が住みつき、その後アラビア人、ノルマン人、そしてドイツ人(神聖ローマ帝国のフリードリヒ二世)が支配していた。この時が最盛期だったらしい。そして、その後フランス人やスペイン(アラゴン)人の圧政が続き、それに対抗するためにマフィアのような独特な組織を作ってきたらしい。今日見たいくつかの建物でも、イスラム風、ビザンチン風、ゴシック風などのいろいろな様式が複雑に混じり合ったような不思議な様式をもっていた。
パレルモ自体はそんなに大きくないので今日と明日でほとんどの場所を回れると思う。明後日は長距離バスで南部のアグリジェントに行ってみたいと思っている。ギリシァ本土以外ではもっとも完全なギリシャ文明の遺跡が残っている場所である。
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