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2006.09.23

パリ日記-9/23

アリアンス・フランセーズ

 今日は午前中からリュクサンブール公園の近くにあるフランス語学校「アリアンス・フランセーズ」に入学手続きをしに行った。そう、これから帰国まで、フランス語のブラッシュ・アップをしようと思うのである。

 とりあえず、帰国まで小旅行以外はパリで過ごすつもりだし、時間は十分あるが、それでも例の「セミオティカ」の論文を書くために、ずっと持ち歩いていたPetrilli+Ponzioの "Semiotics Unbound"を読み終えなくてはならないし、例の吉岡との対談のテープ起こしもしたい。そう考えると残された時間はとても少ない。

 語学学校に行くのは好きである。いろいろ学べるし、いろいろな階層や年齢の人と触れ合える。74年にパリで三週間通ったあとは、87年に二週間弱、やはりアリアンス・フランセーズに通った。最近では98年にロンドンの語学学校に一週間だけ、しかもホームステイで通った。ほとんど自分の教えている学生たちと同じかもっと年下の子と一緒になることもある。こと語学だけのレベルでは同じクラスの人と完全に平等である。それも面白いね。それに可愛い女の子と知り合えるかもしれないし(それかよ!)。

 というわけで、レベルテストを受けてクラス決めをするんだけど、テスト受けるのが超久しぶりなので緊張する。周りでやってる黒人たちがおしゃべりを始めてうるさいし。結果クラスが決まるが前とシステムが違うのでどのレベルかよく分らない。前は上から二番目のクラスだったんだけど。なんかレベルが落ちてるような気がする。ま、とにかく決まって学生証ももらったので(美術館や映画館で学割が使える!)満足。

 アリアンスの建物が前と違うと思ったら拡張してラスパイユ通りに新館ができたのだった。ぼくが受けるのは以前と同じフルリュス通りの旧館。なつかしい。写真左から旧館、新館の入口と19年前毎日通学したリュクサンブール公園。

 さて、明日はオルセーにでもいってみようかと思う。

オルセー美術館

 ここも何度か来てるがゆっくり観覧。19世紀フランス美術の教科書のような美術館だが、以前最上階にあった映画関連の展示が無くなっているのに不満。ゾートロープやマレーの写真銃、エミル・レイノーのプラキシノスコープなどの小さな展示が無くなっている。シャイヨ宮の映画博物館が新しいベルシーのシネマテークに吸収されて、建築関係の博物館を建設中なので、あれらの行き場所がわからない。

 リンツでエルキ・フータモと話したように、エミル・レイノーは映像メディアの歴史の上で欠かせないと思うのだが、余りに本国フランスでも冷遇されているのではないか。

 てなことに腹を立てながら、帰りの便の変更のためにトロカデロ近くのシンガポール航空パリ支局へ。ついでに、トロカデロ公園からエッフェル塔を眺める。あざといと言えばあざといのだが、相変わらず見事な景色だ。早めにホテルに帰って、事務仕事と読書。

 こんな感じでのんびりやっています。明日は市立近代美術館に、これも21年ぶりに行ってみよう。映画も見たいな。


ミュージアムめぐりは続く

 というわけで、今日はイエナのパリ市立近代美術館。

 入ってみて、昔の記憶とは全く展示内容が違うので驚いた。よくよく考えてみれば85年にも87年にも来てなかったのかもしれない。実はここでモンドリアンのとても出来のいい肖像画を見た覚えがあるのだが、じゃあれは74年だったのだろうか?

 いずれにしてもいわゆる近代絵画はフォーヴィスムとキュービスムとエコール・ド・パリくらいで、後は戦後から現代までのコレクションになっている。昔はタブローばかりだったのに。

 特別展のダン・フレヴィンは、誰でも知っている蛍光灯を使う作家だが、場所がいいので楽しめた。まあ、こういうのはどこで展示をするかによって見え方が違ってくる。

 そして橋を渡って最近オープンしたブランリー博物館。要するにおしゃれな民族学博物館である。

 アフリカとオセアニアとアメリカとアジアのコレクションと言っているが、要するにエジプトとか、中国とか、インドとか日本とかを外した博物館である。

 それらには他にギメとか別な施設があるからねということなのだろうが、博物館の別称は”le musee des arts premiere”と言う微妙なものである。これはどう訳すんだろう? 多分「根本芸術」とでも言うのだろうか。premier(e)には初歩のとか未熟なという意味と、第一級のとか根本のとかいう意味があるが、要するにこれは昔"des arts primitif(原始美術・未開美術)と呼んでいたものの読み替えなのである。

 「れちな」さんが書いていたようにT.ミンハのエントランス・メッセージも「他者に関する知/非ー知」と、90年代ポストコロニアリズム的だが、展示は逆にニュートラルで単なる収蔵庫のような愛想のなさ(中立性の見せ掛け)。元々フランスはこういうのが弱いのだ。今は賑わっているが、それこそ大阪の民博のように閑散としてしまうんじゃないだろうか。

 そうなると、元々のギメは今はどうなってるのかちょっと気になってくる。

 ところでまたblogの方にグラナダの写真を追加しましたので見てやってください。"


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2006年09月23日
01:12

ピクシーパパ
たまたま、自分の日記でモーツァルトのリンツ交響曲のことを書いたので他に書いている人はいないかなと思い検索した結果、たまたま訪問させていただきました。美術好きの私は興味を引かれて、かなり読ませていただきました。出張でこのような旅ができるとは羨ましい限りです。
ちなみに、小生はご同僚の茂木先生の指導で合唱をやっております。
2006年09月26日
00:32

れちな
室井さんこんにちは、パリ市美に少し反応しますと、今回行ってみて常設展示が無料になっていることに驚きました。また小学生のグループがぞろぞろやってきて、教育普及の学芸員の話を聞いている姿をみると、ここはロンドンのテイトかと思いましたよ・・・ポンピドゥーには独自に子供のアトリエをもっていても、常設展示における子供向け教育は熱心でない。それはルーブル、オルセーも同様なのですが、これはあまりにも観光客が多くて対応出来ないともいえそうだが、一方イギリスでは観光客が多くても熱心にやっている。とにかく、変わったと感じた次第です。
2006年09月26日
00:37

れちな
ギメのこともふれていたので追加しますが、ここも暫くしまった後再開され、とても見やすい美術館になっています。入り口で日本語も含むイヤホンガイド(無料だと思う)も親切、それを最後まで聞くと、水道局かガス会社か?のCMとなって(あやふやな記憶)終わりということに・・・


ルイーズ・ミシェル辺り
いま滞在しているホテルは地下鉄3号線の北西の終点、ルヴァロワの二つ手前のルイーズ・ミシェル駅がもよりである。最初はこんな場末にと思ったが、パリの地下鉄の駅間の距離はとても短いので、中心部からたいした距離ではない。

なによりも商店街が充実している。あらゆる店やレストラン、バー、スーパー、薬屋、美容院、不動産屋、車やコンピュータの代理店もあるし、寿司屋やマクドナルドまであってとても便利。昨日今日はカンボジア人のお惣菜屋で食事をしているがとてもおいしく充実している。

だからずっとここでもいいのだが、なにせ部屋が狭い。と言うよりもあとから無理やりつけたようなバスルームが狭い。20センチもないような洗面台と、70センチ四方のシャワーと便器があるのだが、このシャワー、あまりに小さすぎて周囲を水浸しにしないで使うのがとても難しい。結局腰を下ろして不自由な姿勢でやっているが、朝食で出会うでかいドイツ人カップルとか、どうしてるんだろう? また、洗濯がしにくいのも大きな欠点だ。

てなわけで、明日からはモンマルトル裏の別のホテルに移る。ここはアリアンスまで地下鉄一本でいける。

昨日今日と天気がよくないので、映画に行く。まずはリヨン駅で来週末のジュネーヴ行きの予約を取ってレ・アール地下のシネコンで「Thank you for smoking」というタバコ規制を皮肉ったアメリカ映画。入場料は9.8ユーロだから、日本よりはだいぶ安い。ただ、昔のロードショー館のように、案内嬢が懐中電灯持って席まで案内してくれるような風情はなくなったけど。

おまけで「MIKADO」割引券というのがついてきて、聞いたらこれは売店で売ってる「ポッキー」のようなお菓子の割引だそうである。そういえばテレビの宣伝でも「MIKADO」を連呼していた。すごいネーミングである。映画館ではよく売れるらしく、沢山置いてあった。

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