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2006.09.17

さらばグラナダ、ドニャ・ルーペ!

 このホテルに朝食はない。だが、スペイン語しか話せないおじいさんが1人居て、頼めば袋入りのパンとコーヒーは出してくれる。昨日の修理でようやくお湯が使えるようになった。二晩水しか使えなかったので、お湯のありがたみが身に染みる。タオルの方はきのうヴィットリアに言ったらバスタオルを二枚貸してくれたので、こちらも解決。

 半分を売ってしまったとはいえ、この建物は奥が広がっていてとても広い。部屋数も50以上あるのではないだろうか? 屋上には日光浴が出来るソラリウムとプールが作られていて、景色がとてもよく気持ちいい。

 ヴィットリアは1人で全てを取り仕切っていて、とても忙しいのだが、夕方少し話が出来た。まずは、昔あげた財布とかのことは、そういうものは全部お父さんに取り上げられてしまったので覚えていない。青いのなら覚えてるんだけど、ということ。ルーペに成田で買ったお土産を渡すと、いちおう喜んではくれたが、どうせお母さんが取り上げるんでしょうと聞いたら「そう」という返事だった。ルーペは昔のヴィットリアと比べるとはずかしがりやでおとなしい。

 ここはお婆さんの代からやっているが、お父さんが拡張して三ツ星ホテルにしたのが失敗したらしい。ちょうどそのころ僕たちが行ったわけだ。僕より一つ年上だというから、若くて夢にあふれていたのだろう。今のヴィットリアの年ともあまり変わらない。

 だが、今はお母さんが深刻な病気でマドリッドの病院に入院しているのだそうである。お父さんもずっと付き添っている。その間ヴィットリアがここを1人で取り仕切っているのだが、彼女にもいろいろなプランがあって、プールを皮切りに次は入口奥のごちゃごちゃ椅子や机が散乱している部屋を外の人も使えるコーヒーショップに改装したいそうだ。

 「ずっとやってるから、次の21年の間に又来てね」と言われた。

 今回よかったことは彼女が本当に喜んでくれたことだ。マドリッドにいるお父さんになんとか会えないかとも言ってくれたし(まあ無理すればできるかもしれないけど、ここでないと意味ないし、お父さんは英語しゃべらなかったし...)、お父さんに言ったら喜ぶと思うと言って感謝された。e-mailのアドレスもお互いに交換した。ここは最近Posada Dona Lupeに名前を変えてホテルでもホスタルでもペンショーネでもなく「旅籠」になったようだ。ネット予約が出来なくなる可能性がある。一応行ってみたい人(いないか?)のために、アドレスも載せておくと、posadadonalupealhambra@yahoo.es と、そのまんまのヤフーアドレスだった。

 今日は前回いけなかったアルバイシンとサクラモンテの丘、そして日の入時のアルハンブラを歩き回った。サクラモンテの丘の頂上の教会まで登ったが、景色が素晴らしい。アルハンブラの後ろのシェラネヴァダ山脈までくっきり見渡せる。

 15世紀にイザベル女王の軍隊がコルドバから押し寄せてきたときの光景を目に浮かべると、それはなんだかアリの戦争のように思える。あまりに広々としたこの風景の中では、何十万人の軍隊が攻め寄せてもちっぽけな点景にしか見えないだろう。最後のイスラムの王はシェラネヴァダに逃走しながら遠くに見えるアルハンブラを見下ろして涙を流したと言う。また、最後まで抵抗したアルバイシンの貴族たちは皆殺しにされて、その血は白い壁を赤く染めたという。そんな500年以上前のできごとが嘘のように、町は昔の姿をとどめている。

 土曜日のアルハンブラはものすごい数の観光客と、結婚式の後記念撮影をするカップルで溢れ返っていた。ナスル朝宮殿の順番を待つ列も昨日の三倍以上ある。アルバイシンの展望台では夕陽の落ちるアルハンブラを見る人たちが鈴なりになっている。サクラモンテの丘の洞窟タブラオの明かりがぽつぽつ付き始める。それでも森と花々にかこまれて、周囲は静かだ。まるで秘密の花園のようなすばらしい夕暮れだった。

 結論としてはここはやはりスペインで最高の場所である。何年後か分らないが、また是非来て見たいと思った。その時ドニャ・ルーペはどうなっているのだろうか。

 今日のお昼はアルバイシンでガスパッチョと魚のフライの定食11.5ユーロというのを食べたのだが、その量に久々にびっくりしたので、その写真もついでに載せてみよう。ちなみにとてもおいしかった。

 明日はまたバスでマドリッド。221739066_253
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