« アルカサルと美術館 | トップページ | デジャ・ヴュ »

2006.09.16

アルハンブラの思い出

 ワシントン・アーヴィングの「アルハンブラ物語」の邦訳が文庫版であってそれを読んでいたのがきっかけで、21年前に初めてグラナダを訪れた。マドリッドからの特急タルゴは夜の11時頃に到着する。

 もう既にホテル紹介所などは閉まっていて、仕方なくタクシーの運転手に紹介してもらったのが、アルハンブラ宮殿の一番奥の坂の上にある三ツ星ホテル「ホテル・ドニャルーペ」だった。山の中をずいぶん上って不安になった頃到着したそのホテルは、それでも小太りの気のいい主人が親切にもてなしてくれ、部屋も何もないけれど広々してくつろぐことができた。周囲の山の雰囲気も気持ちよかった。

 だが、あまり流行っていないらしく、他の客を見かけない。夜戻るとご主人がひとりでロビーでテレビを見ていたりして、あまり英語をしゃべれない彼と身振り手振りで話したりもした。うちの奥さんは、ここの家族のお昼ご飯に誘われて、パエーリャをごちそうになったそうである。7,8歳の可愛い女の子がいて、人懐っこく、写真を一緒に撮ったりもした。

 もともとはすぐに移動するつもりだったが、気持ちいい環境とアルハンブラ周辺の雰囲気に魅了されて4日も延泊してここに滞在してしまった。

 それが21年前だ。出発する前に、「二三年したら必ず又くるからね」と約束したのだがかなわなかった。

 今回ネットで探したら、ドニャ・ルーペは見つかったが、バック・パッカー専用の簡易旅館になっていた。値段の安さが売りである。若干の不安とともにたどり着いてみると、随分ごちゃごちゃしたエントランスと要領を得ない従業員。おまけに改装工事をやっていてところどころ壁がむき出しになっている。昔エントランスだった右側の建物はどうやら売ったらしい。坂ノ下の別のホテルの別館になっていた。

 だが受付で買出しに行く娘さんにあった。29歳で結婚していないという。どうやら、この人がいまはここを取り仕切っているようだった。話を聞いてなつかしがり是非写真を見たいというので、日本に電話してmixiにアップしてもらった。

 その間、ずっとロビーにほったらかしにされ、出てきたお兄ちゃんに通された部屋が改装工事をやっている半野外の部屋。三畳間くらいの広さでトイレと小さなシャワーとベッドがあるだけのまるで独房のようなところで、お湯も出ない。タオルもなければ机もない。
これはあんまりだろうということで、部屋を変えてくれと言いに行ったが、ヴィットリアが帰ってくるまでわからないと言う。娘さんの名前らしい。で、またロビーに放置される。

 帰ってきた彼女たちは飲み物とかトイレットペーパーとかホテルの備品を大量に買いだしてきたようだった。荷運びを手伝い、ロビーにおいてあるPCでアップしてもらった写真を見せると大喜びでみんなを呼んで、大騒ぎに。

 なんだか、そのどさくさで、机もあるかなり上等な部屋に移る事が出来た。ただしやはりタオルはないし、お湯も出ない。ヴィットリアは、なーに8時くらいなったら出るわよ、と言ったが、結局出なかった。ただ、ダブルサイズのベッドの寝心地は良く、周辺は静かで、何よりも思い出に包まれて、十分滞在に耐えられる。

 今朝はロンドンから帰国するというメールを送ってきた金光陽子と電話した。
 今は、ちょっと値段は張るが、vodafoneの端末に繋いで電話接続している。


コメント コメントを書く

2006年09月16日
01:06

ERI
なんか、写真の雰囲気には覚えがあるような・・・。
前に立っているの娘さん?220483964_22

« アルカサルと美術館 | トップページ | デジャ・ヴュ »

「旅行・地域」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16230/13010105

この記事へのトラックバック一覧です: アルハンブラの思い出:

« アルカサルと美術館 | トップページ | デジャ・ヴュ »

最近のトラックバック

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30