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2006.09.01

オープニング

 まずはドナウ岸辺のレントス美術館で開かれている、オープニング・シンポジウムへ。

 「サイバネティクスが美学と出会うとき」ってタイトルで何をやるのかと思いきや、本当に50年代のマックス・ベンゼを見直そうとか言う話でちょっとこけそうになった。過去のサイバネティクスが忘れられているから掘り起こそうというような話。確かにサイバネティクスは人間と動物と機械を同じ見方で記述できると主張したし、心理学や社会学とは全く違うやりかたで芸術についても語ることが出来ると主張してはいる。ウィーナーのサイバネティクスを受けてドイツで「情報美学」を主張したのがマックス・ベンゼだ。日本では川野洋さんが早くから紹介していてぼくたちも読まされた。

 だけど、サイバネティクスそのものを復活させたってしょうがない。しかも、今の時代、僕たちは「通信」と「制御」ということにすべてが還元されるような、まさしくサイバネティクス的な世界に生きているではないか? サイバネティクスをさらに呼び戻してどうする? 質問に立って、現在でもそれがアクチュアリティーをもつとしたらそれは何か、と聞いたが、しどろもどろではっきりしない。どうもオーストリア人である彼らは、いまひとつ自分たちのやっていることに自信がないらしい。と言うか、メディアアートを研究対象にしたためにいろいろなことに手を出し始めたばかりなのかもしれない。

 聴衆もほとんどはアート系で哲学的、と言うよりも文献学的な議論に退屈していた。

 つづいて、ジョン前田、キャンパス部門のヘルシンキの美術学校、地元のリンツ芸術大学のオープニングが立て続けにあった。すべての挨拶でしゃべっているのが、センター所長のシュトッカー。最初若すぎるので違うと思ったが、そうなのだ。吉岡とおなじようなヘアスタイルをしている。とりあえず挨拶をする。

 クリスタ・ソムラーとローラン・ミニョノーがやっているリンツ芸大の展示は面白かった。基本的には先生たちと同じくインタラクティヴで、生命や自然に関するものが多いのだが、大声で叫んだり、飛んだりはねたりしないと反応しないものが多く、会場は叫び声でうるさい。こんなににぎやかな展示も珍しい。また地下の古いバーを改装した会場はとてもよかった。中央広場のど真ん中に20年も使われなかった古いバーが残っているのがまずもって信じられないが...

 どうもIAMASがやったのは去年ではなく一昨年だったようだ。また、クリスタたちはIAMASの前に京都にいて日本には十年もいたそうである。だいぶ勘違いをしていた。大賑わいの展覧会で、また明日以降話しましょうということで今日は別れた。

 毎日シンポジウムやイベントがあるので、いろいろと楽しめそうである。

 そう言えば、blog(http://www.bekkoame.ne.jp/~hmuroi/)の方にたまった写真を追加しておきましたのでご覧下さい。210197534_194
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