« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

2007年1月

2007.01.24

納豆ね−

 「あるある大事典」放送中止騒ぎで話題の納豆ダイエットだが、ぼくは試しにやっている。一日二回、かき混ぜて20分以上放置して発酵させてから食べるとかいうところが個人的にヒットしたからだ。

 「紅茶キノコ」から「カスピ海ヨーグルト」まで、こんなものにずっと踊らされ、騙されてきたわけだが、半信半疑で「ネタ」で楽しんでいると思っていたはずなのに、いつのまにか「ベタ」で怒り出す人が余りにも多いことに逆に驚いた。だいたい堺正章と志村けんがやっているゴールデンタイムの番組内容をそのまままともに信じる方がどうかしている。DHEAだって、その若返り効果やダイエット効果なんて全く証明されていないのに、一人や二人の大学教授が言ったこと(だけ)を信じて、スーパーの納豆の買い占めに走る消費者の方が悪いのだ。全く「証明」なんてされていないタバコの害や副流煙の有害性を鵜呑みにしている人たちと同類だね。まあ、デマというのは元々そういうものなのであって、テレビを初めとするマスメディアは「世論」という名の「デマ」を生産する装置にほかならないのだけれども。

 この騒ぎで変なところは、「騙された」とか「納豆の売れ行きが落ちるのが心配」とか、自民党や議員まで「国民の信頼を裏切る重大な問題」とか騒ぎ立てる手合いが余りにも多いこと。NHKの受信料徴収強制化とか、「放送」そのものが凋落し、ワンセグのような移動体メディアにテレビ放送が移行している現状に全くそぐわない政策を打ち出している時代遅れな政党が言うことなのだけれども、そんな内閣を一時期は80%近くが支持してしまったり、いまでも半数近くが支持しているという駄目な国民の方が問題なのだが。

 ゴールデンタイムのテレビがやることがそもそも「いかがわしく眉唾」であるのは最初っから当たり前のことではないか? テレビ通販のダイエット薬や変なトレーニングマシーンを買う人だって、別にテレビで科学的に正しい報道がされていると信じて買うのではなく、つい騙されて衝動買いさせられてしまうだけに決まっている。こんなのは自己責任で判断するのが当たり前のことなのであって、そんなことを言ったら朝のワイドショーの「占い」とか、オカルトやUFOの番組はどうなってしまうのだろう。「オーラの泉」や細木数子の番組の方が何百倍もずっと有害だと思うのだが。守護霊とか運命とかは科学的に正しいのか? ぼくにはこっちの方がずっと不愉快であり、それと比べれば「あるある」なんて笑って見過ごせばいいことだと思う。

 不二屋騒ぎだってなんてオーバーな。(消費期限じゃなくて)賞味期限一日切れの牛乳を加工乳製品に使ったって別に犯罪ではないと思うね。要するにみんな人の揚げ足を取って、バッシングしたいだけではないか。雪印の社長の時と同じアングルの映像を使って不二家の社長を辞任に追い込んだりして、このところのテレビや新聞はとにかくスケープゴートを見つけてそれをいじめ抜くことに必死だ。特に酷いのがテレビ朝日で、河川敷でゴルフの練習やっている老人をしつこくインタヴューしたり、自転車を駅前に放置する高校生をいじめたりと正義漢面して嗜虐性を加速している。こっちの方が不安神経症としては深刻なのではないかと思う。いまやマスメディアは2chと変わらないのだ。

 鳥インフルエンザの話もなんか変だね。だいたい去年急にブッシュが「新型インフルエンザの脅威」について声明を出したのだって、イラクの情勢を考えると意図的なものを感じる。昔からずっと風邪をひく鶏なんていたはずなのに、まだ人間から感染するウィルスが生まれてもいないのに、その鶏舎の何万もの鶏を全部殺す処置というのはどうなのだろう? 人間だったら、風邪にかかった町全員を殺すのと同じことだし、耐性をもった鶏が生き残れないことになるのではないだろうか? 養鶏業者が激減して、国産の鶏が食べられなくなることの方が問題なのではないか?

 マスメディアやネットでは正しい情報なんて得られない、というとすぐに、じゃあ一体何を信じたらいいんですか? ということになるわけだが、そんなに簡単に何かを信じる方が良くないのである。日経新聞を毎日読んだって、ネットで情報を集めたって、本当に正しいことなんて見つかるわけもないのだ。そんな風に何でも答えが見つかるという風に考えることの方が病気なのである。何でもかんでも正しい選択があると考え、ディシジョン・メイキングのマニュアルにばかり頼るような人間が絶望的なまでに増えてしまったということが、スーパーの店頭から消えてしまった「納豆コーナー」が教えてくれたことだった。

2007.01.23

このところ週一ペースですが、

 センター入試が20,21日にあった。
 去年のセンター入試は大雪だった。この時期はなぜか雪になることが多く、数年に一度は大雪になる。
 去年は車で立ち往生した人たちも多かったが、その前に山中湖でひどい目にあった経験のおかげで、さっさとチェーンを準備してさしたる苦労もなく快適に通勤した。

 だが、今年は雨。その上、横国に来てから毎回動員されていたセンター入試業務が今年は大幅にカットされている。結局土曜日の夕方「リスニング要員」といって、単に例のリスニング機器を運ぶだけの役だった。ちょっと拍子抜けするほど「楽すぎる」。

 ずっとロボットのように働かせられてきていたのに、同じく今年初めて楽な役を振られた同僚の梅本洋一は「そんな年齢になってしまったんだ」と落ち込んでいたが、ぼく自身はセンター入試業務というのは大学教員稼業で一番嫌な仕事だったので、単純に嬉しい。そこで、へらへら皆とおしゃべりをしていたら、入試委員長から「来年の副委員長はマルチから出すことになっているんだけど、室井さんはどうだろうという話が‥‥」という肩叩きがあり、青ざめる。課程持ち回りなので、来年副委員長ということは再来年は委員長をやらなければならないということなのである。事務の人たちも学部長さえも「室井さんには向いていないのでは」と言ってくれるほど向いていないし、途中で暴れ出しそうな予感すらするので何とか避けられないかと思うが、今年が楽だったのはこんな裏があったのかとつい疑ってしまう。何とか、逃げたいものだが、どうなのだろう。人には「向き不向き」というものがある。どうせのことなら教務委員長の方がまだマシだ。

 大学人以外には分からないだろうが、激務の委員会に教務委員会と入試委員会がある。昔は厚生委員会も結構大変だったが、このところ大したことはなくなっている。激務と言っても何か創意工夫が求められるわけではなく、単純に時間的に制約されるだけのことなのだが、学生の教務関連問題を直接扱う教務委員会に比べて、入試委員会はこれまで決められたことを、単に事故のないように創意も工夫もなく淡々と続けていくという手続きばかり多くて徒労感の多いつまらない業務であり、その上、拘束時間が長く、とりわけ一番嫌でたいてい二日目の夕方には機嫌が最悪に悪くなり人に当たり散らしてしまうほど嫌なセンター試験の責任者というのはかなり耐えられない。ということで、そこから逃れられるように早速近くの人たちから説得を始める。うまく行くだろうか?

 日曜日は中野・椎野・禿と一緒に朝から水戸芸術館に。いい天気だった。唐組の稲荷・鳥山・久保井が客演しているATMの「麗しのハリマオ」(長谷川裕久作・演出)のマチネを観劇。十貫寺梅軒さんをはじめ東京からも沢山おしかけていたので、水戸在住の栗原ご夫妻も交えて近くで打上げる。

 劇団唐ゼミ★の公演「ジョン・シルバー(続)」の準備もいよいよ本格的になってきた。今週と来週はイレギュラーな日程だが、いろいろと忙しく、二月からようやく春休みモードになる。

2007.01.15

再び日常へ

 山中湖から帰った次の日、下北沢の「すずなり」でやっている、新宿梁山泊「夜の一族」を観に行く。この日も「爆弾低気圧」の影響で風がきわめて強く、観劇中も外から風の音が響いていた。当日いらしていたのは堀切直人さん、馬政煕さん、樋口良澄さんご夫妻など。いつもの眠亭で飲む。ありえない日程での公演だが、梁山泊のみんなはとても元気。金さんも元気だった。当分、唐十郎作品をやる予定はないらしい。小檜山洋一君の作品の三本立なのだが、新年の一週目は忙しく、残念ながら行けたのはこの回だけだった。作品的には「等身大」のリリカルな芝居だが、演出と照明/美術がその弱点をカバーしていてきちんと見ることはできた。
 火曜日は多摩美の最終講義。10人程に、下にコメントしてくれた「arts」君を交えて新年会。女の子多くうれしくて、つい時間を忘れ飲んでしまったので、何と横浜線の最終がいつのまにか早くなっていて、途中からタクシー帰りになってしまった。98年から丸9年間通ったが、もう橋本駅なんか行く機会は余りないだろうなあ。9年間の間に駅周辺もだいぶ変わった。最初の頃は安くておいしい鳥料理屋、MeWeができてからはこれまた人生で出会った中でもっともおいしかったタイ料理屋、最近は駅ビルの「王将」の「こってりラーメン」と昼食もずいぶん様変わりした。ここから京王線で新宿に出て、芝居を見たり人と会ったりしたことも何度もあった。多摩美も伊藤豊雄さんの新しい図書館も出来るし、芸術学科も新棟に引っ越しが決まっており、一時代がこれで終わった感じがする。まあ、でも多摩美は楽しかったなあ。非常勤がなくなるとぼくのお小遣いが減るので、どなたかまた呼んで下さい。
水曜日は、2月の3、4日にやる三枝健起さんの集中講義のためのガイダンス。みんなで映画を撮るのだが、参加者をチーム分けして、今後の日程を決める。やる気がある学生が多いのでどうなるのか楽しみだ。教室棟が閉まるまでみんなチームごとに打ち合わせをしていた。
 木、金も最初の週で休憩する暇もなく忙しいまま、金曜日には新宿のトップスでやっている南河内万歳一座の「百物語」に顔を出す。唐ゼミ★の中野も一緒。内藤さんの作品の中では、「台風」というどうしようもない超越的な外部が入っているので、前回寄りはかなり良し。相米慎二の「台風クラブ」を思い出す。ただ、南河内は重定礼子と鴨鈴女という突出した女優が居るのになぜもっとちゃんと使ってあげないのかと、内藤さん本人に言ってしまう。まあ、みんなに役を振るのも大変なことなんだろうけどね。
 土曜は記号学会の理事会・編集委員会。立花義遼さんの山中湖の家に年末雷が直撃して大変だったのだが、被害は最小限度で済んだらしい。メインの暖房が全部駄目になってはしまったらしいけれども。終わった後軽く「ライオン」でビールを飲んで、東海大学の水島久光さんの行きつけのバーでちょっとだけ飲む。水島さんは広告の仕事をやっていた時代、このバーに毎日のように通っていたらしいが、こういう「会員制」系の店にはひさしぶりに行った。普段は居酒屋チェーンばかりなので新鮮だった。

2007.01.06

新年

 遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

 この数年、正月と言って特に何事もなく過ごすことになっている。スーパーやコンビニでは元旦から生鮮食料品を売るようになってしまってから、食べ物に困るようなことはなくなったが、正月の国中休みという感覚も失われた。学生たちもバイトに精を出している者も多い。

 その上、やはりこの数年、たいてい年末・正月休みにはたまった宿題が山積みになって、どこにも出かけずに机に向かって原稿を書いていることが多い。今年の場合には、夏にスーザン・ペトリッリから頼まれた"Semiotica"用の英文論文にかかりきりである。国際雑誌用というのは、文体や語り口の問題をどうするかということが内容に先立つ難問で、結局今日までかかってまだようやく四合目に差し掛かったという程度の遅々とした進行状況。締切は昨年末までと言われていたので、ちょっと焦っている。

 元旦に両親のところに顔を出してから、午後に唐ゼミ★の中野とヨンソンが訪ねてきたくらいが正月らしいが、あとはずっと机に向かっていた。

 そして、もはやこちらの方が新年の行事と化している、劇団唐組の山中湖「乞食城」合宿。今年は5-6日だった。昨年の酷寒雪中行軍と比べると嘘のように温かい好天で、一緒についてきた中野、椎野、禿と、機嫌良く箱根をドライブ。富士山をバックの写真だが、隣に「痩身」椎野裕美子がいるのと、去年の酷寒に懲りて厚着をしまくっているのでかなり肥って見える(か、本当にこの二週間で太ったのか?どちらかだ)。
Dsc07242
 夕方から唐組の春の新作公演『行商人ネモ』(もう公開していいみたいです)の抜粋を見物。というよりも、早速冒頭で稲荷卓央の歌う唄の伴奏に駆り出されたために、流し稽古から劇団員と共に参加したと言うべきか。結局、外部からの参加者もわれわれ4名だけだったため、そのままなし崩し的に飲み会。唄大会。『行商人ネモ』は、タイトルもそうだが、久しぶりに長い時間を執筆にかけて、これまでと書き方やスタイルをかなり変えた新しいフェーズの始まりになりそうな予感がする。

 天気が良くて温かいと油断していたら、夜中に予想外の大雪になる。夜明け前に起き出した唐さんに起こされて焼酎を飲まされたり、車が雪で動けなくなり、チェーン装着やら雪かきやらに全員かかりきりになったり、相変わらず無事ではすまない合宿だったが、楽しかった。唐組の劇団員たちが全国各地から持ち寄った御馳走を腹一杯食べ、久しぶりに近況をしゃべりあい、唐さんと演劇論を戦わせ、唐組と唐ゼミ★の今年の計画を話し合い、帰りには久保井が九州で買ってきた寒ブリの刺身と、稲荷から北海道のほっけまでお土産にもらってほくほくと帰る。‥‥のはずが、朝方から雪から大雨に変わった大荒れの天気で、天気予報で聞いたら「爆弾低気圧」だと言う。この間の嵐の忘年会といい、やはり唐さんが絡むとただではおさまらないようだ(暮れの26日の忘年会は大荒れの天気。傘が役に立たない台風のような降りで、夜半には雷になった)。そんなわけで、もし時間の余裕があれば夜の新宿梁山泊のすずなり初日に顔を出そうかとも思ったのだが、あまりの降りに断念。おとなしく家に帰った。

 ところで、論文の合間に読んだ本。
扇田昭彦さんの『唐十郎の劇世界』(右文書院:アマゾンのタイトルが間違っている。「世界」ではなくて「劇世界」です)。書店には来週から並ぶが、ご本人から送っていただいた。67年から現在まで唐さんと共に歩んでこられた扇田さんの「唐十郎論集成」で、これまで目にした文章も多いが、まとめて読むとなかなか圧倒的で、予想を遥かに超えて面白かった。二月か三月には同じ出版社から堀切直人さんの『続・唐十郎ギャラクシー』も出るようだが、この本の出版はいろいろそこから派生する動きを生み出しそうだ。

 さあて、連休の間に仕事にもメドをつけなければ、来週からは大学も始まり、新年会や観劇の予定も目白押しでいきなり忙しくなる。

« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

最近のトラックバック

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31