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2007.03.11

「ジョン・シルバー(続)」

 来週は劇団唐ゼミ☆の「ジョン・シルバー(続)」が始まる。16日から18日の三日間たった五回の公演だが、彼らにとって大きな境目となる重要な公演になることだろう。

 ちなみに、「ジョン・シルバー(続)」でgoogle検索をかけたら、根津甚八さんのblogを見つけた。但しヒットしたのは、唐ゼミ☆の前田裕己がつけたTBからだったけれども、状況劇場入団の頃の話などが書かれていてとても面白い。この頃の話は当時のどの関係者に聞いても面白いので、この辺りのことをまとめて本にしたら相当いいんじゃないかと思う。

 今回の「ジョン・シルバー(続)」では、会場に新宿梁山泊の本拠地「芝居砦・満天星」を使わせてもらう。普通のマンションの地下なので何本も柱や梁があるのだが、今回中野敦之は敢えて柱をど真ん中に入れるという斬新な発想で、いままでこの場所では考えられなかった幅の広い舞台空間を作り上げた。テントよりもだいぶ広い。海の見える丘、と言うよりも海の底にある喫茶店を作り上げている(写真はごく一部なので、実際の舞台の印象はこれよりもずっと幻想的だ)。
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 水曜日に初めて通し稽古を見せてもらって、金曜日には唐さんに久々に大学に来てもらい見てもらった。相当気に入ってもらえたようだ。大学で宴会をして、何人かで高円寺まで送って行き、アトリエで三次会まで飲んだのだが、ずっと興奮していてとても楽しそうだった。この席で、中野がずっと唐さんに懇願してきたある大作を上演する許可をもらえて、夏のテント公演でかけられることになったことも大きい。この件は、「ジョン・シルバー(続)」の本番で中野の口から発表されることだろう。

 ぼく自身も、テキストを読んだ時には全く理解できなかったこの作品の豊かさがようやく分かってきた。20代の唐十郎の頭の中の妄想がシュールレアリスティックで賑やかなバーレスクになっているのだが、元々50年代、60年代ポップスで満載の中に、2002年に「ジョン・シルバー」でスタートした唐ゼミ☆の軌跡を中野が音楽として挿入したので、さまざまな意味連関が生まれている。転機となった「吸血姫」以前の唐作品のエッセンスが盛り込まれており、若さが炸裂している唐十郎の原点とも言える作品であり、初めての観客にも勿論訴えかけてくるが、唐ゼミ☆をずっと見てきてくれた人にはまた違った喜びをもたらしてくれる作品になったのではないかと思う。

 この頃の唐作品では李礼仙、麿赤児、大久保鷹、四谷シモン、不破万作といった個性溢れる役者体に支えられる部分も大きかったのだが、その点でも今回はみんな頑張ってくれているのではないだろうか。キャスティングがとてもいい。

 もっともぼくの身辺も結構忙しく、5日には下北沢「ザ・スズナリ」でのmode「変身」を見たり、大学では学生の卒業判定をめぐって走り回ったり、まだ12日には後期入試もあるし、連日会議や打ち合わせもある。それでも何とか工夫して本番には全部顔を出していようと思いますので、皆さん是非ご来場下さい。これは絶対見ておくべき価値があります。

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