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2007.07.26

パイプの話

 日本パイプクラブ連盟という団体から、煙草についての連載をしてみないかという話があって、二週間程前に丸の内のシガーバーで打ち合わせをした。パイプのコレクション千本以上という連盟の会長と理事の方とお目にかかり、連載をお引き受けした。既に第一回が掲載され、第二回の原稿を執筆中である

 今年に入ってWHOや、その傘下にあるFCTC(煙草規制枠組条約機構)などによるなりふり構わぬ攻勢が激しい。全く根拠もなく「科学的エビデンス」の旗印の下に「異端狩り」を進めようというこれらの健康ヒステリー患者たちの姿は、「禁煙ファシズム」と言うよりもまさしく中世の十字軍や「魔女狩り」にきわめて近いように思われる。21世紀と共に世界は「新しい中世」に突入した。「ポストモダン」の後に来たのは不寛容な原理主義と一元的なグローバル経済が結びついた「中世」への回帰だったのだ。まあ、そんなようなことは連載の方でじっくりと考えて行きたい。

 さて、問題はこの依頼を頂いたのが「日本パイプクラブ連盟」であったと言うことである。打ち合わせ中三人のパイプスモーカーがご自慢のパイプでうまそうに煙草を吸っているのを見て羨ましくなってしまった。雑談中にも何度も勧められるので、とりあえずネットで「スターターズキット」を購入して面白半分で試してみることにした。

 昔、煙管タバコや、葉巻やシガリロは試したことがあるが、パイプは初めてである。やってみたら、これがめちゃくちゃ旨い。元々ぼくたち喫煙者は煙草が旨いから吸っているのである。けっして単なるニコチン中毒で吸っているのではない。だが、パイプ煙草の旨さはシガレットとはちょっと次元が違う。ゆったりと吸い終わった後、思わず「ごちそう様」と言いたくなるほど満足感が深いのだ。葉巻も旨いがやはり高価だし、それなりの時間的余裕がないと吸えないし場所も限定される。

 シガレットは肺の奥まで吸い込む肺喫煙だが、パイプや葉巻は口腔と舌や鼻の粘膜で楽しむ口腔喫煙である。最初はこんなもので満足できるものかと思ったし、舌先や唇にぴりぴりした刺激があったりもしたが、これは吸い方次第でコントロールできる上に、何よりも煙草それ自体が「旨い」のである。肺まで吸い込まないから喉や気管への負担も軽い。実際、シガレットが全く吸えず、煙草の煙に咳き込んでしまうような人でもパイプなら全く大丈夫らしい。アメリカでも、シガレット喫煙者は生命保険料が非喫煙者よりも数倍高くなるが、パイプ喫煙者は安いのだそうだ。ぼくはシガレット喫煙の肺ガン原因説は相当誇張されている嘘だと思っているが、それでも少なくとも呼吸器官を刺激することなく、煙草の旨さをこれほどにまで楽しめるのならそれはそれでいい。一種のおしゃぶりだから癒されるし、パイプという道具にも何か安らぎを感じるので、これはなかなかいいのではないかと思った。

 連盟の方にそんな感想を伝えたら、早速銀座で開かれる日本パイプスモーカーズクラブの例会に招待された。老若男女、多種多様な職業のパイプスモーカーが二十数名集まって、全員パイプをくゆらせている。その日は年に二回のオークションで、会員の人たち秘蔵のパイプや関連グッズが出品され、ぼくも思わず二本ほど購入してしまった。昔のパソコン通信のオフ会にも似て、見知らぬ人たちともパイプのネタですぐに話が弾むようになるところも面白い。なるほど、これはクラブとか連盟とか、仲間が居るとますます楽しくなる道楽なのだということが分かった。

 てなわけで、最近はいつもパイプを持ち歩いている。運転中にシガレットをちょっと吸う以外はずっとパイプ。煙草代も大幅に安上がりだし、何となく幸福感もある。「似合わない」とか「似合っている」とか色々言われもするが、まあそんなことはどうでもいい。煙草は楽しいし、やっぱり美味しい。パイプ煙草にはウィスキーや香料が加えられたものもあり、たいていみんな「いい臭い」と言ってくれるし、シガレットよりも煙が少ないので周りの人にもあまり迷惑をかけないで済む。いいことだらけである。というわけで、今やぼくも、ぼくに盛んにパイプを始めることを勧めてくれた連盟の人たちと同じ気持ちになりかけている。まあ、単純なものだが、要するにそれほどパイプ煙草は旨いし、幸福で豊かな満足感を与えてくれるのである。手軽さではシガレットにかなわないが、ネイティヴ・アメリカンたちが教えてくれた本来の煙草の素晴らしさ、美味しさ、文化的伝統を感じさせてくれる。

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コメント

私がパイプを吸い始めたのは、今から約40年程前でした。その後暫く吸わなくなったが10年程前オーストリアに行った時、吸っている人を見かけ、懐かしさから現地で買い求め再開しました。
葉タバコと違い、香りとゆったりした時を過ごせるので続けています。
この記事にもありましたが、現在の禁煙運動は「魔女狩り」の様な極端な行動に移るのか
嗜好の世界を抑制するのははなはだ疑問と感じる。

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