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2014.01.16

パノラマプロジェクト東京篇、いよいよ24日から始まります

前回のエントリーが8月で、そこで復活宣言をしたものの、88歳の父が緊急入院、89歳の誕生日の一日前の10月21日にとうとう力尽きました。それから葬儀だとか、お墓の手配とかバタバタしていてタイミングを見つけられず、ここまで放置してしまいました。何回かエントリーを書きかけたのだけど、全部中途半端なままになってしまっています。やはり去年は人の死と向き合う巡り合わせの年だったのでしょう。年賀状を頂いた方には失礼をいたしました。結局、寒中見舞いを出す時間もなくなりそうです。

それでも「パノラマプロジェクト東京篇」は着々と準備が進められていました。

一年以上前の2012年9月のエントリーにも書いてありますが、この時ぼくは鳥取市の「鳥の劇場」で上演されたやなぎみわさんの「パノラマ」を見に行きました。日清戦争から日露戦争にかけて台東区の上野と浅草で大人気を果たし、京都や大阪にも出現した「パノラマ館」を題材にしたこの演劇作品は、2011年から突然演劇の世界に登場したやなぎさんがずっとテーマにしている「メディア」「戦争」「芸術」そして「日本の近代」というすべての問題に関わっています。新しい国民国家としてスタートした日本の最初の戦争である日清戦争のパノラマ画は「日本国民」という新しい意識を生み出し、そこから日本は大陸進出の道を歩んでいくのです。そして、その度にそこには新しいメディア、映画、ラジオ、テレビ、そしてインターネットなどが深く関わっていくことになります。もう一人、そこには子供の頃見たパノラマ館の偽物の「青空」の余りにも鮮烈な「青」を語る詩人ハギワラも登場します。ハギワラは、パノラマ画を描いた画家と詩や美術について語ります。2012年の7月に世田谷美術館で上演されたやなぎさんの「1924三部作」の「人間機械」を見て、余りにも感動したぼくはこの作品を見るためにはるばると鳥取まで行ったのですが、その時にはやなぎさんが単独で初めて演劇台本を書いたこの作品が様々な深い洞察や印象的なシーンを生み出してはいるものの何かもう一つ物足りないような気持ちになりました。そして、すぐにやなぎさんにこの「パノラマ」を一緒に再演しないかという提案をしたのです。

「人間機械」の劇評  ==>

元々のきっかけは演劇を始める決意をしたやなぎさんが浅草・花屋敷で上演中の劇団唐ゼミ☆のテントに見に来てくれたことでした。やなぎさんは学生時代に京都下鴨神社で見た状況劇場の紅テントでの「少女仮面」(おそらくは87年の再演)を見て大きな衝撃を受け、憧れの人である唐さんの芝居を見て回っていたらしい。そこから、やなぎみわと劇団唐ゼミ☆のコラボレーションという話になっていきました。詳しくは唐ゼミ☆のチラシの文章などをご覧下さい。 ===>

さて、そういうことでやなぎさんと劇団唐ゼミ☆の中野、椎野たちと台東区のロケハンをしたのが昨年の1月下旬でした。我々としては横浜でやるのが一番力を発揮できますし、本当はテントでやりたいという話もあったのですが、お互いのスケジュールが合うのが今年の1月〜3月。やなぎさんは昨年の6月、8月に新作「ゼロアワー〜東京ローズ最後のテープ」の予定があり、今年は横浜トリエンナーレに向けての準備がある。流石に冬のテントは寒すぎる。ということで、場所を探していたのです。それにはかつて唐十郎が育ち、「パノラマ館」がかつてあった台東区がいいということで、さまざまな場所を見て回りました。その時に、ファミコン草創期に日本初のゲームのサードパーティ会社「ハドソン」を立ち上げ、いまは浅草で隠居(といってもさまざまな活動を繰り広げている)三遊亭あほまろ(工藤裕司)さんにご紹介して、今回私財を投じて作られた映画『ゆめまち観音』のかつ弁士による上映会もすることになりました。

次に、下町の人たちとのおつきあいが始まり、入谷交差点前にある「焼鳥たけうち」や超近代的な葬儀場、葬想空間スペースアデューを始めとする下谷一丁目界隈の人たちとの交流が始まった。入谷朝顔市にも、盆踊り大会にもみんなで足を運んできました。

さらに古くからの友人である小杉+安藤、吉岡洋、稲垣貴士さん、そして「SPACY」などで有名な伊藤高志さんによる「BEACONプロジェクトチーム」による「BEACON」シリーズの新作を作ってもらうことになった。BEACONとはくるくる回るプロジェクターによる映像インスタレーション作品で、一種のパノラマ装置になっています。

さらにさらに、ぼくがこのところ急速に関心を持ち始めている作曲家/パフォーマーである三輪眞弘さんによる「逆シミュレーション音楽」の新作パフォーマンス「みんなが好きな給食のおまんじゅう」がそこに加わり、もう何だか盛り沢山に過剰な凄いアートイベントにまで話が膨らんできてしまいました。これ、学生チームが頑張って練習していますが、相当面白いです。初日の24日には演劇ユニットのアフタートークのゲストに東京大学の木下直之さんが来てくれます。木下さんの『美術という見世物--油絵茶屋の時代』という著書がやなぎみわ版「パノラマ」のインスピレーションの源になりました。25日にはBEACONのアーティストトークが2:00から、26日にはやはり2:00からあほまろさんの『ゆめまち観音』上映と活弁トークショーが無料で行われます。

助成金などの枠が違うので、演劇ユニット「パノラマ〜唐ゼミ☆版」と、それ以外の複合アートイベント「パノラマプロジェクト」はそれぞれ関連はしているけど別々のイベントと言う形になってはいますが、もちろんこれらは一体で切り離せないイベント=出来事です。

それを今回は複数会場や路地そのものを舞台とした「移動型演劇」として提示したいと思っています。つまり、それぞれの作品がバラバラではなく、下町を歩くという一つの行為の一部として相乗的に重なり合っていければいいと考えています。ですので、焼鳥たけうちへに集合してから地図を受け取り複数の場所を巡って頂く趣向になっていますので、どうぞ防寒の準備だけはよろしくお願いします。三日限り、下町の路地が異次元世界へと生まれ変わります。

そうそう、今回学生チームがすごい働きをしてくれています。ウェプもそうですが、こんな派手な煽り映像も作ってくれました。
「パノラマ〜唐ゼミ☆版」も見違えるよう面白くなり、重要な役を演じることになる椎野裕美子もこんな風にblogで宣伝してくれています。

さらにさらに凄いことがあります。実はぼくも今回はメイクをしてある重要な役割をすることになりました。五十数年の生涯の中で初めての経験です。もう二度としないでしょうから、見逃さないでください。演劇ユニットだけは有料イベントで他の単独のイベントは無料ですが、上にも書いたようにこれはまあ一体のものですので、是非予約をして集合場所にお集まり下さい。それだけの価値はあるとお約束できます。3月末には京都の元立誠小学校でもやりますが、路地の迷宮世界は東京篇だけです。ちょっと遠くてもこっちに見に来る価値は十分あると思います。

というわけで、久しぶりに書きましたが、とにかくこれは来てほしい。Wodiczko以来の最も大きなイベントになります。よろしくお願いします。

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